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痔の内服薬はどっち?摩耶字散と乙字湯の違いとは

乙字湯の種類

痔の症状に悩む人にとって、市販の内服薬である「摩耶字散」と「乙字湯」はいずれも有力な選択肢です。しかし、それぞれの薬には成分や効能、向いている体質などに違いがあるため、どちらを選べばよいか迷う方も多いでしょう。

本記事では、摩耶字散と乙字湯の特徴や違いをわかりやすく比較し、自分に合った薬を見極めるためのポイントを詳しく解説します。

この記事を読むと理解できること
  • 摩耶字散は16種類の生薬で痔の痛み・出血・便通に多角的に作用
  • 乙字湯は痔と便秘・脱肛などの体質的問題を合わせて改善する処方
  • 体質や症状によって薬の向き不向きが明確に分かれる
  • 妊婦・虚弱体質・高齢者などは事前に専門家へ相談が必要

摩耶字散と乙字湯の基本情報

  • 摩耶字散とは?特徴と成分の解説
  • 乙字湯とは?特徴と構成生薬の特徴

摩耶字散とは?特徴と成分の解説

摩耶字散(まやじさん)は、痔の症状に悩む人のために作られた第2類医薬品で、特に「いぼ痔」「きれ痔」「痔による出血」などに対して内服でアプローチする薬です。摩耶堂製薬株式会社が製造・販売しており、市販薬としてドラッグストアや通販サイトでも手に入れることができます。

この薬の大きな特徴は、16種類という非常に多くの生薬がバランスよく配合されている点にあります。使用されている生薬の代表例には、サイコ(柴胡)、トウキ(当帰)、シャクヤク(芍薬)、オウゴン(黄芩)、ダイオウ(大黄)、ボウフウ(防風)などがあり、漢方の知識を応用した処方設計となっています。これらの生薬は、痔による「痛み」「出血」「血行不良」「便秘」など、さまざまな要因に複合的に働きかけます。

成分の中で特に注目されるのが、大黄(ダイオウ)と当帰(トウキ)です。大黄は腸のぜん動運動を促して便通をスムーズにする作用があり、排便時の負担を軽減します。一方、当帰は血流を良くして冷えを改善し、炎症の沈静化にも役立ちます。また、シャクヤクやオウゴンには消炎・鎮痛作用があり、痔の痛みや腫れを和らげる効果が期待されています。

摩耶字散は1回あたり1.5g程度の散剤(粉薬)として提供され、1日3回、食間に水または白湯で服用します。食間とは食後2〜3時間を目安とし、胃が空腹に近い状態での服用が推奨されます。薬の成分がしっかりと体内に吸収されるよう設計されているため、用法・用量は正確に守ることが重要です。

また、比較的誰でも使用しやすいとされていますが、妊婦や授乳中の方、体力が著しく衰えている方、胃腸が弱い方などには注意が必要とされています。下剤成分を含むため、下痢しやすい人や腸が過敏な人は使用前に薬剤師に相談するのが望ましいでしょう。

このように摩耶字散は、多角的なアプローチで痔の不快な症状に対応する内服薬として、高い汎用性と効果を備えています。症状が軽度〜中等度の段階であれば、市販薬としての利便性も含め、選択肢の一つとなり得ます。

乙字湯とは?特徴と構成生薬の特徴

乙字湯(おつじとう)は、漢方医学に基づいた処方で、特に「いぼ痔」「きれ痔」「便秘」や「軽度の脱肛」など、肛門周辺の症状に用いられる内服薬です。6種類の生薬で構成されており、比較的シンプルながら、痔の原因となる体質や排便習慣にも着目して処方設計されている点が特徴です。

乙字湯に含まれる生薬は、当帰(トウキ)、柴胡(サイコ)、黄芩(オウゴン)、甘草(カンゾウ)、升麻(ショウマ)、大黄(ダイオウ)の6種類です。それぞれが明確な役割を持っており、痔の根本的な原因に多角的に働きかけます。

特に当帰は血行を改善し、肛門周囲のうっ血や冷えを緩和する効果があるとされています。柴胡や黄芩は体内の炎症を鎮め、炎症性の痔に対しても有効です。升麻には引き締め作用があり、肛門の緩みを整えることで脱肛を防ぐ働きがあるといわれています。また、大黄は穏やかな下剤作用を持ち、便秘の改善や排便時の負担軽減につながります。

乙字湯が適しているとされるのは、「体力が中等度以上あり、便がかたく、便秘がちで、痔や脱肛を伴う人」です。便秘が長引くことで肛門に負担がかかり、いぼ痔やきれ痔、脱肛が悪化することがありますが、乙字湯はこのような体質や生活習慣に起因する痔の改善を目指しています。

市販されている乙字湯には、エキス錠剤や顆粒タイプがあり、服用しやすくなっています。ただし、下剤成分が含まれているため、もともとお腹を下しやすい人や、体力が虚弱な高齢者などには向かない場合があります。使用前には、薬剤師や医師に相談することが勧められています。

このように乙字湯は、単なる痔の炎症や痛みだけでなく、「便通や体質改善」に着目して作用する点が特長です。痔の症状に加えて便秘や排便時のトラブルを抱えている人にとっては、効果的な選択肢となり得るでしょう。

摩耶字散と乙字湯の違いと選び方

  • 効能・作用の違いと体質別の使い分け
  • 副作用・注意点・使用前に確認すべきポイント

効能・作用の違いと体質別の使い分け

摩耶字散と乙字湯は、いずれも痔の症状に対応する内服薬ですが、効能や作用の方向性、そして向いている体質には明確な違いがあります。それぞれの特性を理解することで、自分に適した薬を選ぶための参考になります。

まず、摩耶字散は「いぼ痔・きれ痔・痔による出血」など、痔自体の症状に対して直接アプローチする処方です。鎮痛・止血・血流改善・便通調整など、幅広い作用を持つ16種類の生薬が配合されており、多面的に症状を緩和します。排便時の出血や痛みがつらい、あるいは一時的に痔が悪化しているようなケースに対して、比較的広く対応できるのが特徴です。

一方、乙字湯は痔そのものの治療だけでなく、「便秘傾向」「脱肛」「体の冷え」「瘀血(血行不良)」といった、体質や生活習慣が原因で痔を引き起こしている場合に向いています。6種類の生薬で構成されており、便通の改善・肛門の引き締め・血流促進などに重点を置いた処方設計です。便が硬くて排便に苦労する方、痔が出てしまいやすい方には適しているといえるでしょう。

また、使用対象の体質にも違いがあります。摩耶字散は比較的万人向けで、特定の体質条件を強く指定していないのに対し、乙字湯は「体力中等度以上で便秘傾向がある人」を対象としています。そのため、体力が著しく低下している方や、もともと下痢しやすい方には乙字湯は不向きとなる可能性があります。下剤成分である大黄が含まれているため、腸が過敏な方には注意が必要です。

このように、摩耶字散は「痔の症状がメインの方」、乙字湯は「痔に加えて便秘傾向や脱肛などの体質的な問題を抱える方」に適していると考えられます。ただし、両者とも市販薬ではあるものの、使用にあたっては自己判断だけでなく、体質や症状に応じて医師や薬剤師の助言を受けることが望ましいです。

どちらの薬にもメリットがあり、選択の基準は症状の現れ方や日頃の排便状況、体調や体質によって変わります。自分の症状が「一時的な痔の悪化」なのか、「便秘や体質による慢性的な痔」なのかを意識することで、より適切な薬の選択ができるでしょう。

副作用・注意点・使用前に確認すべきポイント

摩耶字散と乙字湯はいずれも生薬を主体とする漢方処方の内服薬であり、比較的安全性が高いとされていますが、使用にあたっては注意すべき点がいくつかあります。特に体質や持病の有無、服用中の他の薬との併用などにより、思わぬ副作用が生じる可能性もあるため、以下の点に留意しましょう。

まず、摩耶字散の注意点としては、配合されている生薬の中に下剤作用を持つ「大黄(ダイオウ)」が含まれていることが挙げられます。大黄は便通を改善する効果がありますが、腸の動きが敏感な人や、もともと下痢をしやすい人には刺激が強く、腹痛や軟便を引き起こす場合があります。また、16種類もの生薬が配合されているため、体質によってはまれにアレルギー反応や胃腸障害を起こす可能性も否定できません。

また、妊娠中や授乳中の方については、使用前に必ず医師または薬剤師に相談することが推奨されています。摩耶字散には子宮を刺激する可能性のある成分が含まれているため、特に妊婦の服用には慎重さが求められます。高齢者や体力の低下している方も、服用の可否を医療専門家に確認するのが安全です。

一方、乙字湯についても、大黄による下剤作用には注意が必要です。特に、普段から下痢気味の方や胃腸が弱い方にとっては、腹痛や緩い便の原因となる場合があります。乙字湯は「体力中等度以上の人」に向けた処方であるため、体力が虚弱な高齢者や病後の回復期にある人などには適していない可能性があります。

また、乙字湯の構成生薬の中には、体の熱や炎症を取る作用のある成分も含まれているため、冷え症の人が服用すると体調が変化する場合があります。漢方薬は体質との相性が重要であるため、自己判断だけでの使用は避けた方がよいでしょう。

いずれの薬にも共通して言えることは、「長期間服用しても症状が改善しない」「服用中に新たな症状が現れる」「症状が悪化する」といった場合は、直ちに服用を中止し、医師や薬剤師に相談する必要があるという点です。

また、他の薬との併用にも注意が必要です。特に下剤、利尿薬、抗炎症薬などを同時に使用している場合、相互作用が生じる可能性があるため、必ず事前に専門家に確認するようにしましょう。

このように、摩耶字散と乙字湯はそれぞれに効果的な処方設計がされていますが、安全に使うためには体質や現在の健康状態をよく理解し、使用前に必要な確認を行うことが重要です。薬の選択に迷った場合は、自己判断せず、医療機関や薬局での相談を優先するようにしましょう。

まとめ

記事のまとめ
  • 摩耶字散は16種類の生薬を配合した第2類医薬品
  • いぼ痔・きれ痔・出血など多様な症状に対応
  • 鎮痛・止血・血流改善・便通促進を目的とする
  • 食間に服用する散剤タイプが主流
  • 比較的広範な体質に対応しやすい設計
  • 大黄を含むため下痢しやすい人は注意が必要
  • 妊娠・授乳中・高齢者などは事前相談が望ましい
  • 乙字湯は6種の生薬からなる漢方処方
  • 便秘傾向や脱肛がある人に適している
  • 体力中等度以上の人向けの処方設計
  • 血行促進・排便改善・脱出予防に重点
  • 大黄による便通促進作用が特徴
  • 腸が敏感な人は副作用に留意が必要
  • 摩耶字散は痔そのものの緩和に強み
  • 乙字湯は痔+体質改善の両面にアプローチ

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